iPhoneおすすめランキングでも上位に位置しているiPhone 15 Proでは、上位モデルの心臓部とも言えるSoCに新しいA17 Proチップが搭載されました。
A17 Proチップは、世界で初めて3nmプロセスで製造された量産型SoCです。
しかしながら、実際のところどれくらいの性能なのか分かりにくいですよね。
本記事ではA17 Proチップの中身や性能を詳しく解説していきます。
また、A16 Bionicなど他のSoCとの比較も行って、A17 Proチップの性能を分かりやすく紹介。
iPhone 15 ProシリーズやA17 Proチップの性能が気になる方はぜひチェックしてみてくださいね。
iPhone16にはA18チップが搭載されると言われています。
iPhone16の発売日はいつかや、iPhone16の色のバリエーションなどはこちらの記事でご紹介しています。
A17 Proチップとは
A17 Proチップとは、Appleが独自に設計開発した3nmプロセスのSoCです。
2023年9月発売のiPhone 15 Pro/15 Pro Maxに搭載されました。
iPhone15とiPhone15 Proの違いとして最も大きいも事の1つが、このA17 Proチップの搭載有無です。
歴代iPhoneシリーズのチップ比較
歴代のiPhoneシリーズの中でも、最近発売されたiPhoneシリーズのチップを比較します。
- A17 Proチップ:iPhone15 Pro・Pro Max
- A16 Bionicチップ:iPhone14 Pro・Pro Max/iPhone15・Plus
- A15 Bionic/5コアGPU:iPhone13 Pro・Pro Max/iPhone14・Plus
- A15 Bionic/4コアGPU:iPhone 13・mini/iPhone SE3
A17 Proチップは世界で初めて3nmプロセスで製造された量産型SoCです。
この3nm「プロセス」とは、簡単に言えばCPUの設計における寸法を示しています。
数字が小さくなるほどCPUは微細化し、性能と電力効率を向上させることが可能です。
従来のスマートフォン向けSoCは、小さくても4nmプロセスでした。しかしA17 Proは3nmプロセスを採用したのです。
アップルはA17 Proチップについて、前モデルのA16 Bionicチップと比べてCPU性能は最大16%、GPU性能は最大20%向上したとアピールしています。
A17 Proチップの性能は?
ここからはA17 Proチップの性能を見るために、各種ベンチマークスコアを紹介していきます。
結論から書くと、A17 Proはハイエンドスマホに搭載されているような高性能チップです。
Antutu
まずはスマートフォン向けベンチマークテストの定番であるAntutuのスコアを見てみましょう。
A17 Proを搭載したiPhone 15 ProのAntutuベンチマークスコアは1,526,893です。
このスコアはこれまでのiPhoneの中で最も高く、この上にはM1チップを搭載したiPadが並びます。
まさしく最高性能のiPhoneと言うことができますね。
Geekbench6
Geekbench6はスマートフォンのCPU性能を測るベンチマークテストです。
A17 Proのベンチマークスコアはシングルコアで2,952、マルチコアで7,462です。
この数字はかなり高く、同じようなスコアのCPUにはIntel Core i7などのパソコンに搭載されるようなCPUが並んでいます。
高画質な写真や動画の編集のほか、重めのゲームも快適に楽しむことができるでしょう。
3DMark
3DMarkはグラフィック性能を測るベンチマークテストです。
こちらも非常に高い性能を示しており、A17 Proを搭載したiPhone 15 ProのスコアはWild Life Extremeテストで3,539でした。
これだけの性能があれば、ほとんどのスマホ向けゲームが快適にプレイできるでしょう。
また、iPhone 15 Pro/15 Pro MaxがPCやゲーム機向けのゲームもプレイできることからも、グラフィック性能の高さがうかがえます。
A17 Proチップを他のCPUと比較してみた
ここからはA17 Proチップの性能がより分かりやすくなるように、他のCPUと性能を比較していきます。
A16 Bionicと比較
まずはA17 Proチップの前モデルにあたるA16 Bionicチップと比較します。
A16 BionicはiPhone 14 Pro/14 Pro MaxやiPhone 15/15 Plusに搭載されているSoCです。
どちらもスマートフォン向けSoCなので、Antutuベンチマークのスコアを比較しました。
チップ | Antutuスコア |
---|---|
A17 Pro(iPhone 15 Pro) | 1,526,893 |
A16 Bionic(iPhone 14 Pro) | 1,441,109 |
A17 Proを搭載したiPhone 15 Proのスコアは1,526,893、対するA16 Bionic搭載のiPhone 14 Proのスコアは1,441,109でした。
スコアを比べると約6%の性能向上ですね。
どちらもかなり高性能なので、普段づかいの範囲では違いがほとんど分からないかと思います。
しかし、重めのゲームを長時間プレイする際は、A17 Proを搭載したiPhone 15 Proの方が快適でしょう。
M1と比較
続いて同じアップル独自開発のSoCであるM1チップと比較していきます。
M1チップは2020年モデルのMacBookのほか、2021年モデルのiPad Pro、2022年発売のiPad Air(第5世代)などに搭載されたSoCです。
ここではGeekbench6と3DMarkのスコアを比較します。
チップ | Geekbench6 (シングルコア) | Geekbench6 (マルチコア) | 3DMark (Wild Life Extreme) |
---|---|---|---|
A17 Pro | 2,952 | 7,462 | 3,539 |
M1 | 2,369 | 8,576 | 4,776 |
それぞれ「スマホ向け」「PC向け」という違いがあるため単純な比較はできませんが、スコアを見る限りGeekbench6のシングルコア性能はA17 Proの方が高いです。
マルチコアになるとM1チップの方がハイスコアですが、A17 Proもなかなか良い勝負をしています。
いずれにしても、A17 ProチップはPC並みの高い処理性能を備えていると言えるのではないでしょうか。
M2と比較
続いて、M1より新しいM2チップと比較します。
M2チップは2022年モデルのMacBook AirやiPad Proなどに搭載されているSoCです。
A17 Proとベンチマークスコアで比較します。
チップ | Geekbench6 (シングルコア) | Geekbench6 (マルチコア) | 3DMark (Wild Life Extreme) |
---|---|---|---|
A17 Pro | 2,952 | 7,462 | 3,539 |
M2 | 2,596 | 10,062 | 5,631 |
こちらもGeekbench6のシングルコアではA17 Proが上回っており、かなり高い処理性能であることが分かります。
一方、マルチコア性能では、M2チップが非常に高いスコアを出していますね。
このことから複数のソフトを多用した作業なら、M2を搭載したMacBookなどの方が適していると言えるでしょう。
また、3DMarkでグラフィック性能を比較すると、M2はA17 Proの1.5倍以上の性能を持っていることが分かります。
そのため4K動画の編集などは、やはりM2搭載のMacBookやiPadの方が快適に行えるでしょう。
A17 ProはPC並みに高性能なチップ
本記事ではiPhone 15 Pro/15 Pro Maxが搭載するA17 Proチップの性能について解説しました。
A17 Proチップはスマートフォン向けのSoCとしては非常に高性能で、PC向けのSoCとも肩を並べられるレベルです。
基本的には何でもできてしまう性能なので、iPhoneを使っている中で動作に不満を感じることはないでしょう。