A17 Proチップの性能は?A16 BionicやM1と比較してみた

A17 Proチップの性能について解説。ベンチマークスコアなども掲載しています。A17 Proチップは世界で初めて3nmプロセスで製造された量産型SoCです。iPhone 15 Pro/15 Pro Maxに搭載されています。
  • 2024.3.7
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A17 Proチップの性能は?A16 BionicやM1と比較してみた

iPhoneおすすめランキングでも上位に位置しているiPhone 15 Proでは、上位モデルの心臓部とも言えるSoCに新しいA17 Proチップが搭載されました。

A17 Proチップは、世界で初めて3nmプロセスで製造された量産型SoCです。

A17 Proチップとは

しかしながら、実際のところどれくらいの性能なのか分かりにくいですよね。

本記事ではA17 Proチップの中身や性能を詳しく解説していきます。

A17 Proチップの性能

また、A16 Bionicなど他のSoCとの比較も行って、A17 Proチップの性能を分かりやすく紹介。

iPhone 15 ProシリーズやA17 Proチップの性能が気になる方はぜひチェックしてみてくださいね。

A17 Proチップとは

A17 Proチップとは

A17 Proチップとは、Appleが独自に設計開発した3nmプロセスのSoCです。

2023年9月発売のiPhone 15 Pro/15 Pro Maxに搭載されました。

iPhone15とiPhone15 Proの違いとして最も大きいも事の1つが、このA17 Proチップの搭載有無です。

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SoCはスマートフォンの頭脳とも言える部分です。SoCの性能でスマートフォンの処理性能やバッテリー持ちなどが決まります。

A17 Proチップは世界で初めて3nmプロセスで製造された量産型SoCです。

この3nm「プロセス」とは、簡単に言えばCPUの設計における寸法を示しています。

数字が小さくなるほどCPUは微細化し、性能と電力効率を向上させることが可能です。

従来のスマートフォン向けSoCは、小さくても4nmプロセスでした。しかしA17 Proは3nmプロセスを採用したのです。

アップルはA17 Proチップについて、前モデルのA16 Bionicチップと比べてCPU性能は最大16%、GPU性能は最大20%向上したとアピールしています。

A17 Proチップの性能は?

A17 Proチップの性能

ここからはA17 Proチップの性能を見るために、各種ベンチマークスコアを紹介していきます。

結論から書くと、A17 Proはハイエンドスマホに搭載されているような高性能チップです。

Antutu

まずはスマートフォン向けベンチマークテストの定番であるAntutuのスコアを見てみましょう。

A17 Proを搭載したiPhone 15 ProのAntutuベンチマークスコアは1,526,893です。

このスコアはこれまでのiPhoneの中で最も高く、この上にはM1チップを搭載したiPadが並びます。

まさしく最高性能のiPhoneと言うことができますね。

Geekbench6

Geekbench6はスマートフォンのCPU性能を測るベンチマークテストです。

A17 Proのベンチマークスコアはシングルコアで2,952、マルチコアで7,462です。

この数字はかなり高く、同じようなスコアのCPUにはIntel Core i7などのパソコンに搭載されるようなCPUが並んでいます。

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iPhone 15 Pro/15 Pro Maxはパソコン並みの処理性能を搭載していることになりますね。

高画質な写真や動画の編集のほか、重めのゲームも快適に楽しむことができるでしょう。

3DMark

3DMarkはグラフィック性能を測るベンチマークテストです。

こちらも非常に高い性能を示しており、A17 Proを搭載したiPhone 15 ProのスコアはWild Life Extremeテストで3,539でした。

これだけの性能があれば、ほとんどのスマホ向けゲームが快適にプレイできるでしょう。

また、iPhone 15 Pro/15 Pro MaxがPCやゲーム機向けのゲームもプレイできることからも、グラフィック性能の高さがうかがえます。

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A17 Proチップを他のCPUと比較してみた

A17 Proチップを他のCPUと比較してみた

ここからはA17 Proチップの性能がより分かりやすくなるように、他のCPUと性能を比較していきます。

A16 Bionicと比較

まずはA17 Proチップの前モデルにあたるA16 Bionicチップと比較します。

A16 BionicはiPhone 14 Pro/14 Pro MaxやiPhone 15/15 Plusに搭載されているSoCです。

どちらもスマートフォン向けSoCなので、Antutuベンチマークのスコアを比較しました。

チップAntutuスコア
A17 Pro(iPhone 15 Pro)1,526,893
A16 Bionic(iPhone 14 Pro)1,441,109

A17 Proを搭載したiPhone 15 Proのスコアは1,526,893、対するA16 Bionic搭載のiPhone 14 Proのスコアは1,441,109でした。

スコアを比べると約6%の性能向上ですね。

どちらもかなり高性能なので、普段づかいの範囲では違いがほとんど分からないかと思います。

しかし、重めのゲームを長時間プレイする際は、A17 Proを搭載したiPhone 15 Proの方が快適でしょう。

M1と比較

続いて同じアップル独自開発のSoCであるM1チップと比較していきます。

M1チップは2020年モデルのMacBookのほか、2021年モデルのiPad Pro、2022年発売のiPad Air(第5世代)などに搭載されたSoCです。

ここではGeekbench6と3DMarkのスコアを比較します。

チップGeekbench6
(シングルコア)
Geekbench6
(マルチコア)
3DMark
(Wild Life Extreme)
A17 Pro2,9527,4623,539
M12,3698,5764,776

それぞれ「スマホ向け」「PC向け」という違いがあるため単純な比較はできませんが、スコアを見る限りGeekbench6のシングルコア性能はA17 Proの方が高いです。

マルチコアになるとM1チップの方がハイスコアですが、A17 Proもなかなか良い勝負をしています。

いずれにしても、A17 ProチップはPC並みの高い処理性能を備えていると言えるのではないでしょうか。

M2と比較

続いて、M1より新しいM2チップと比較します。

M2チップは2022年モデルのMacBook AirやiPad Proなどに搭載されているSoCです。

A17 Proとベンチマークスコアで比較します。

チップGeekbench6
(シングルコア)
Geekbench6
(マルチコア)
3DMark
(Wild Life Extreme)
A17 Pro2,9527,4623,539
M22,59610,0625,631

こちらもGeekbench6のシングルコアではA17 Proが上回っており、かなり高い処理性能であることが分かります。

一方、マルチコア性能では、M2チップが非常に高いスコアを出していますね。

このことから複数のソフトを多用した作業なら、M2を搭載したMacBookなどの方が適していると言えるでしょう。

また、3DMarkでグラフィック性能を比較すると、M2はA17 Proの1.5倍以上の性能を持っていることが分かります。

そのため4K動画の編集などは、やはりM2搭載のMacBookやiPadの方が快適に行えるでしょう。

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とはいえ、A17 Proもかなり高い処理性能を備えているため、スマートフォンで行う作業であれば基本的には全く問題ないと思われます。

A17 ProはPC並みに高性能なチップ

本記事ではiPhone 15 Pro/15 Pro Maxが搭載するA17 Proチップの性能について解説しました。

A17 Proチップはスマートフォン向けのSoCとしては非常に高性能で、PC向けのSoCとも肩を並べられるレベルです。

基本的には何でもできてしまう性能なので、iPhoneを使っている中で動作に不満を感じることはないでしょう。

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一方で、一般ユーザーにはオーバースペックになってきていることも事実です。スマホの用途や予算に合わせて、A16 Bionic搭載モデルの購入も検討してみてはいかがでしょうか。