この記事ではiPhoneのクイックスタートができない時の原因と対処法について解説します。
iPhoneのクイックスタートを使って、古いiPhoneから新しいiPhoneへ機種変更をする時、簡単にデータの移行ができるはずなのに「なぜかクイックスタートが上手くいかない」と困りますよね。
そこで今回は、iPhoneでクイックスタートを成功させるために必要な手順をご紹介します。
※本記事の価格は全て税込みです。
iPhoneのクイックスタートができない時の原因
まず、iPhoneのクイックスタートができない時の原因をご紹介します。
- Wi-Fi接続が不安定になっている
- Bluetoothがオフになっている
- 古いバージョンのiOSを使っている
- iCloudバックアップがオフになっている
- iPhoneのストレージ容量が不足している
- 古いiPhoneのApple IDが未設定になっている
- Apple IDにサインインしていない
- 新しいiPhoneが初期化状態になっていない
- 古いiPhoneのカメラが使えない
- データ移行するiPhoneの端末同士が離れすぎている
- データ移行するiPhoneとは別のiPhoneが近くにある
このように、iPhoneのクイックスタートがうまくいかない原因はたくさんあります。

Wi-Fi接続が不安定になっている
古いiPhoneから新しいiPhoneへのデータ転送作業は、2つのiPhoneをWi-Fiで接続して行います。
しかし、Wi-Fi接続が不安定だと、データの転送中に接続が切れてしまうことがあるのです。
クイックスタートを成功させるには、Wi-Fi環境が安定している必要があります。
Bluetoothがオフになっている
古いiPhoneと新しいiPhoneのBluetoothがオフになっていると、クイックスタートがうまくいかない原因となります。
クイックスタートを成功させるには、両方のiPhoneのBluetoothがオンになっている必要があります。
古いバージョンのiOSを使っている
iOS 11以下の場合、クイックスタートがうまくいかない原因になります。
クイックスタートを成功させるには、古いiPhoneにも新しいiPhoneにもiOS 12.4以降がインストールされている必要があります。
iCloudバックアップがオフになっている
古いiPhoneから新しいiPhoneへデータを移行する前に、事前にiCloudバックアップがオンになっていない場合、クイックスタートがうまくいかない原因になります。
クイックスタートを成功させるには、iCloudバックアップがオンになっている必要があります。
iPhoneのストレージ容量が不足している
古いiPhoneから新しいiPhoneへデータを移行する際、新しいiPhoneのストレージ容量が不足していると、データの転送に必要な容量が足りなくなるため、処理が途中で停止してしまいます。
クイックスタートを成功させるためには、古いiPhoneよりも新しいiPhoneの方が多くの空き容量を確保していなくてはいけません。
古いiPhoneのApple IDが未設定になっている
古いiPhoneにApple IDが未設定(サインインしていない)の場合、クイックスタートがうまくいかない原因になります。
クイックスタートを成功させるには、古い(移行元)iPhoneにApple IDを設定する必要があります。
新しいiPhoneが初期化状態になっていない
新しいiPhoneが初期化状態になっていないと、クイックスタートがうまくいかない原因になります。
クイックスタートを成功させるには、新しいiPhoneを初期化(工場出荷状態)しておく必要があります。
古いiPhoneのカメラが使えない
古いiPhoneのカメラが故障している場合も、クイックスタートはうまくいきません。
古いiPhoneのカメラが正常に動作しているか確認してみましょう。
データ移行するiPhoneとは別のiPhoneが近くにある
データ移行を行う古いiPhoneと新しいiPhoneの近くに、データ移行とは関係のない別のiPhoneが1台以上ある場合も気を付けてください。
データ移行するiPhone以外のiPhone(iOS端末)が近くにない環境で作業を進めましょう。
データ移行するiPhoneの端末同士が離れすぎている
古いiPhoneと新しいiPhoneが離れすぎていると、クイックスタートがうまくいかない原因になります。
古いiPhoneと新しいiPhoneがすぐ近くにある状態で、移行作業を行ってください。
移行するiPhoneの端末の充電がない
古いiPhoneと新しいiPhoneの充電が不足していると、途中でバッテリーが切れてしまい、クイックスタートがうまくいきません。
どちらのiPhoneも十分に充電してから操作しましょう。
iPhoneのクイックスタートができない時の対処法
次に、iPhoneのクイックスタートができない時の対処法をご紹介します。
- Wi-Fi接続を改善する
- Bluetoothをオンにする
- 古いiOSのバージョンをアップデートする
- iCloudバックアップをオンにする
- iPhoneの移行データを減らす
- 古いiPhoneにApple IDを設定(サインイン)する
- 新しいiPhoneを初期化(工場出荷状態)する
- iPhoneのカメラの動作を改善する
- データ移行するiPhoneの端末同士を近づける
- 移行するiPhoneを充電する
- それでもクイックスタートがうまくいかない

Wi-Fi接続を改善する
クイックスタートを成功させるには、Wi-Fi接続を安定させる必要があります。
Wi-Fi接続が不安定なときの対処法は以下の通りです。
- Wi-Fiルーターの近くで行う
- 別のWi-Fiネットワークに接続する
- Wi-Fiルーターの再起動を行う
Bluetoothをオンにする
移行元と移行先の両方のiPhoneのBluetoothをオンに切り替えましょう。
Bluetoothをオンにする設定は以下の通りです。
- 「設定」アプリをタップ
- 「Bluetooth」をタップ
- Bluetoothをオン
「Bluetooth」の右側のインジケータが緑色になれば、Bluetoothがオンになっています。
古いiOSのバージョンをアップデートする
移行元・移行先の両方のiPhoneのiOS(ソフトウェア)がiOS 12.4以降でなければ、クイックスタートは成功しません。
iPhoneのiSOのバージョンを確認する方法は以下の通りです。
- 「設定」アプリをタップ
- 「一般」をタップ
- 「ソフトウェアアップデート」をタップ
アップデート後は、今お使いのiPhoneのiOSのバージョンが表示されます。
データ移行を行うiPhoneのiSOのバージョンがiOS 12.4ではなくiOS 11以下だった場合は、iOSのソフトウェアアップデートを行いましょう。
iPhoneのソフトウェアをアップデートする方法は以下の通りです。
- 「設定」アプリをタップ
- 「一般」をタップ
- 「ソフトウェアアップデート」をタップ
- 「ダウンロードしてインストール」をタップ
なお、iOS12.4にアップデートできる端末の条件は次の通りです。
- iPhone5s以降の機種
- iPadはiPad Air以降
- iPod Touchは第6世代以降の機種
これよりも古いiPhoneでは、クイックスタートはできません。ご注意ください。
iCloudバックアップをオンにする
クイックスタートを成功させるには、古いiPhoneのiCloudバックアップがオンになっている必要があります。
iPhoneのiCloudバックアップをオンにする方法は以下の通りです。
- 「設定」アプリをタップ
- 「AppleID(所有者情報)」をタップ
- 「iCloud」をタップ
- 「iCloudバックアップ」をタップ
- 「このiPhoneをバックアップ」をオン
- バックアップを作成する
バックアップの可否はアプリごとに切り替えられます。必要に応じて確認ください。
なお、iPhoneをコンピュータに接続し、iTunesを使用してバックアップを作成する方法もあります。
このときは必ず、PCのiTunesでもiPhoneと同じAppleIDを使ってください。
iPhoneの移行データを減らす
クイックスタートを成功させるには、古いiPhoneのデータ量よりも、新しいiPhoneのストレージの空き容量が大きい必要があります。
例えば、古いiPhoneのデータ量が256GB(データ移行量)で、新しいiPhoneのストレージ容量が128GBしかない場合、クイックスタートはうまくいきません。
そのため、古いiPhoneの移行データを減らすか、古いiPhoneよりもストレージ容量が大きいiPhoneを新しく購入する必要があります。
古いiPhoneのデータを減らす際は、以下の部分を整理してみてください。
- 不要なアプリや写真があれば削除する
- ビデオなどの容量が大きいデータを削除する
また、写真や動画データはデータ移行の対象から外したり、写真のデータなどをiCloudやGoogleドライブといったクラウドオンラインサービス上に保存したりする方法も有効です。
古いiPhoneにApple IDを設定(サインイン)する
クイックスタートを成功させるには、古いiPhoneにApple IDを設定(サインイン)する必要があります。
iPhoneにApple IDを設定する方法は以下の通りです。
- 「設定」アプリをタップ
- 「iPhoneのサインイン」をタップ
- AppleIDのパスワードを入力
- 6桁の確認コードを入力
AppleIDのパスワード入力後に、お手持ちのiPhoneのSMS(電話番号)に6桁の確認コードが送信されます。そのコードを入力すればOKです。
なお、そもそもAppleIDを持っていない・作成していない場合は、まずAppleIDのアカウントを作りましょう。
- 「設定」アプリをタップ
- 「AppleID(所有者情報)」をタップ
- 「iCloud」をタップ
- Apple IDを追加
AppleIDを作成したら、基本的には自動でサインインされている状態になります。
もしサインインを求められた場合は、再度AppleIDでサインインしてください。
新しいiPhoneを初期化(工場出荷状態)する
新しいiPhoneは工場出荷状態である必要があります。
購入したiPhoneが新品のものである場合は、工場出荷状態です。
一方、オークションサイトで買ったり、友人からもらったりしたiPhoneは、工場出荷状態ではない可能性があります。
iPhoneを初期化(工場出荷状態に)する手順は以下です。
- 「設定」アプリをタップ
- 「一般」をタップ
- 「転送またはiPhoneをリセット」をタップ
- 「すべてのコンテンツと設定を消去」をタップ
iPhoneが初期化状態になれば、クイックスタートを始められます。
iPhoneのカメラの動作を改善する
古いiPhoneのカメラが正常に動作しているか確認してみましょう。
もしうまく動作していなかった場合は、以下の対処法を試してみてください。
- カメラアプリを再起動してみる
- iPhoneを再起動してみる
- iOSを最新のバージョンにする
上記のことを試してみても動作が改善しないのであれば、iPhoneのカメラが故障しているのかもしれません。
その場合は修理が必要です。Appleサポートや修理サービスに連絡しましょう。
なお、カメラが正常に動作しない状況でデータを移行したい場合は、クイックスタートを使わず手動で操作する必要があります。
データ移行するiPhoneの端末同士を近づける
クイックスタートは、データ移行するiPhone同士をしっかり近づけて行いましょう。
両端末をくっつけるように配置すれば、成功する可能性が高まります。
それでもクイックスタートがうまくいかなかった場合は、iPhoneの位置を変えてみるか、障害物がないか確認してみてください。
また、データ移行とは関係ない3台目のiPhoneが近くにある場合も、クイックスタートがうまくいかない原因になり得ます。

移行するiPhoneを充電する
クイックスタートを成功させるには、古いiPhoneも新しいiPhoneも、十分に充電しておく必要があります。
なお、クイックスタートは充電中でも行えます。
充電不足の状態でデータ移行をしなければいけない場合は、充電しながら操作しましょう。
どうしてもクイックスタートがうまくいかない場合の対処法
今回ご紹介した対処法を試しても、クイックスタートがうまくいかなかった場合は、少し大変ですが手作業でデータを移行しましょう。
また、故障が考えられる場合はAppleサポートに問い合わせてみてください。
ただし、データ移行の開始後は新旧どちらのiPhoneも使えない状態になってしまうため、Appleサポートへの問い合わせはできるだけ移行作業前に行いましょう。
クイックスタートはこれでうまくいく
iPhoneのクイックスタートができないと本当に困りますよね。
しかし、今回ご紹介した対処法をひとつずつ実践すれば、クイックスタートを高確率で成功させることができるはずです。
焦らずしっかり確認してみてくださいね。